物流業界は今、大きな転換期を迎えています。
2024年問題として知られるこの課題に直面する中で、各社はどのような対策を講じるべきでしょうか。
このシリーズ「5分でわかる『2024年問題とその対策』」では、2024年問題への様々な具体的な対策について解説します。

前回の第9回では2024年問題改善に向けた具体的な対策について解説しました。今回の第10回でも引き続き具体的な対策について詳しく解説します。

今回は具体的な対策として、荷主側の施設面の改善ついてです。
出荷に合わせた生産・荷造り等
- 概要
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倉庫を複数経由する集荷やバース数が不足する場合には、倉庫の集約やバース数の多い倉庫の増設を行うことで荷待ち時間を削減できます。積み卸し作業場が狭い場合は、工場レイアウトの変更や外部倉庫、トラック運送事業者のスペース活用で作業時間を削減できます。
- メリット
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荷待ち時間の削減: 倉庫の集約やバース数の多い倉庫の増設により、トラックが荷物を迅速に積み下ろしできるため、待機時間が大幅に短縮されます。これにより、運行効率が向上し、トラックの稼働率が高まります。結果として、配送のスピードが改善され、物流全体の効率が増します。
作業場の効率化と作業時間の短縮: 作業場が狭い場合、積み卸し作業が非効率的になります。工場レイアウトの変更や外部スペースの活用により、作業スペースを広げることで、作業の流れが改善され、全体の作業時間が短縮されます。これにより、作業効率が上がり、生産性が向上します。
滞留車両の削減と倉入れ・倉出し作業の効率化: 倉庫内での滞留車両を減らすことにより、トラックのスムーズな進入・退出が可能になります。これにより、倉入れや倉出し作業が迅速に行われ、物流フローが改善されます。滞留車両の減少は、構内の交通渋滞を防ぎ、全体的な作業の効率化につながります。

次に参考事例について詳しく解説します。
参考事例:入荷専用バースと取り下ろし体制の改善による手待ちの削減(栃木県)
事例の概要
スナックフード・サービスの宇都宮センターには、市内工場および外部倉庫からの横持ち入荷(ピストン輸送)が1日平均44便あるが、入荷専用バースの不足、センター内搬送機からの取り下ろし能力不足(停止の発生)により、最大2時間の手待ちが恒常的に発生している
このため横持ち運行便の拘束時間が原則時間を超えていた。この改善のため、入荷専用バース割当ての増加と搬送機からの取り下ろし体制を強化した
成功のポイント
・2・3 階の搬送機からの取り卸し体制の強化により、詰まりによる搬送機の停止
が改善された
・搬送機近くに設けた仮置きスペースが、搬送機の搬送能力と、フォーク搬送能
力との差を補うバッファとして機能した
改善前の状況
倉庫1階から入荷した荷物を搬送機で2階に搬送したが、2階の荷物の取り卸し体制が十分ではなかった、荷詰まりによる搬送機の停止が頻繁に起こっていた。それによって、作業効率が上がらず、荷待ち時間が長くなっていた。
改善後の状況
搬送機の停止を防ぐために、2階における取り崩し能力を向上させるために、フォークリフトを増車した。それによって、取り崩しの能力が向上した。それに合わせて、荷物の仮置きスペースを1階と2階に新設したことで、搬送機の搬送能力と、フォーク搬送能力との差を補うバッファとして機能して、さらに搬送機の停止が起こる頻度を軽減することができるようになった。
課題
宇都宮市内の拠点間における横持ち運行のうち、宇都宮センターへの入荷は、入荷専用バースの不足、搬送機からの取り下ろし能力の不足(停止の発生)により、大2時間の手待ちが発生している。
このため横持ち運行便の拘束時間が原則時間を超えていた。
- 問題点
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1 入荷専用バースが足りていなかった
2 フォークマンが足りなくて貨物の取り下ろしに時間がかかり、搬送機が停止することが頻繁に起きる
3 バッファ機能を果たす仮置き場がなかったので、搬送機が停止した際に待機しかできなかった。
- 事業内容
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① 入荷専用バースの増加(1バース→2バース)
② 在庫保管フロアである2・3階にフォークマンを1名増員し、垂直搬送機からの貨物取り下ろし体制を
強化
③ バッファ機能として、搬送機横3箇所に貨物の仮置きスペースを設ける
結果
横持ち便ドライバーの拘束時間と運行回数 : 1運行(ピストン)あたりの拘束時間が9分短縮された
荷主企業のメリット
入荷専用バースの増加で、3号搬送機の負荷が分散される
貨物の仮置きスペースを設けたことで、搬送機のスループットが向上する
横持ち運行の回転率が1台あたり0.39回高まることで、上限時間内の運行回数が上昇し、スポット運賃を削減できる。
成功の要因
①2・3階の搬送機からの取り下ろし体制の強化により、詰まりによる搬送機の停止が改善されたこと
②搬送機近くに設けた仮置きスペースが、搬送機の搬送能力と、フォーク搬送能力との差を補うバッファとして機能したこと


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