物流業界は今、大きな転換期を迎えています。
2024年問題として知られるこの課題に直面する中で、各社はどのような対策を講じるべきでしょうか。
このシリーズ「運送会社の経営改善」では、2024年問題や様々な問題に対応しなければいけない運送会社にとって有益となる経営改善に繋がる情報を発信していきます。

今回の第2回では、ハーバード流交渉術について詳しく解説します。
ハーバード流交渉術は、運送業界における荷主と弱い立場の事業者間の運賃交渉にも有効です。この手法を適用することで、弱い立場の事業者でも公正で利益に基づいた交渉を進めることができます。まずは、ここで読者の皆さんに簡単に理解してもらうために、一般的なハーバード流交渉術の事例をご紹介します。
ハーバード流交渉術を実際に使用した例をご紹介します。・ケーキを2人で分けさせるために、1人にケーキを切る役を、もう1人に先にケーキを選ぶ役を与えると、2人はケーキを半分ずつ食べることができます。これは、ハーバード流交渉術では交渉相手を対立相手としてみないという考えが使われます。2人に別々の役割があることで、ケーキを切る側は大きいケーキと小さいケーキに切った場合に、もう1人に大きい方を取られてしまうことで自分に対して損が発生することを避けるために2つのケーキを半分ずつにします。
上記のケーキの例はハーバード流交渉術を日常生活に取り入れた例です。
実際にハーバード流交渉術を運賃交渉に適用する際には、まず事前準備が重要です。事業者は自社のコスト構造を詳細に分析し、どの程度の運賃引き上げが必要かを明確にします。また、市場調査を行い、業界標準の運賃や他の事業者の実例を収集します。
交渉の場においては、荷主との対話を始める前に感謝の意を伝え、良好な関係を築くことを強調します。その上で、コスト構造の変化や市場調査の結果を基に、運賃引き上げの必要性を論理的かつ客観的に説明します。さらに、複数の提案を提示し、荷主に選択肢を与えることで、交渉の幅を広げます。提案としては、予約受付システムの導入や一環パレチゼーションなどの提案が考えられます。
実際に荷主に負担がかかるのにも関わらず、一貫パレチゼーションと受付予約システム導入することができ、着荷主滞在時間の短縮を行った参考事例を↓の記事で取り上げています。
#ここに物流業界の未来:2024年問題とその対策 第三回のリンク貼る#
最終的には、公正な基準に基づいた提案であることを強調し、双方の利益を考慮した最適な解決策を探ります。交渉が難航しても、感情的にならず冷静に対処し、最終的な合意に至るまで対話を続ける姿勢が重要です。
このようにして、ハーバード流交渉術を活用することで、事業者も荷主との対等な交渉を行い、双方が納得できる合意を形成することができます。
今回は、ハーバード流交渉術を元に運賃交渉について解説しました。このように本ブログでは、運送会社の経営改善につながる情報をこれからも発信していきます。
次回のハーバードから学ぶ交渉術 第3回はハーバード流交渉術の具体的な活用方法について紹介します。
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