国交省「中小物流事業者の労働生産性向上事業」募集開始 – テールゲートリフター等導入支援の概要と効果

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国土交通省は2024年度補正予算により「中小物流事業者の労働生産性向上事業(テールゲートリフター等導入等支援)」の公募を開始しました。

本事業は、新規投資の余力が乏しく経営環境が厳しい中小トラック運送事業者を対象に、荷役作業の効率化(荷役時間短縮・負担軽減)に資する機器やシステムの導入費用を一部補助する制度です。労働力不足や長時間労働是正といった課題への対応策として、テールゲートリフターやトラック搭載型クレーン、トラック搭載用二段積みデッキ等の導入を支援し、トラック運送業の生産性向上と多様な人材確保を図る狙いがあります。運送業界では、2024年4月にトラック運転手への時間外労働規制が施行されてから1年半以上が経過した今、依然としてドライバー不足が深刻であり(全産業平均の約2倍の有効求人倍率)、生産性向上による労働環境改善は喫緊の課題となっています。

補助事業の概要と募集内容

今回公募されている「労働生産性向上事業」は、2025年(令和7年)12月1日から2026年(令和8年)2月6日までの間に対象機器等を導入したトラック運送事業者等を補助対象としています。具体的な支援内容は大きく二つに分かれます。

車両の効率化設備導入支援:荷役作業の省力化や輸送効率向上に資する機器として、「テールゲートリフター」「トラック搭載型クレーン」「トラック搭載用2段積みデッキ」「ダブル連結トラック」等が補助対象です。これらの機器を導入する際の費用の一部(通常価格の1/6)を国が補助します。

業務効率化・経営力強化支援:配車計画システムや車両動態管理システム、予約受付・ASN(事前出荷通知)システム、求貨求車マッチング、運行・労務管理システム、契約書電子化などITシステム導入も支援対象です。また原価管理システムの構築、人材育成(大型免許・けん引免許取得やフォークリフト講習受講費用等)への補助も含まれます。システム導入費用については補助率1/2等が適用され、デジタル化や人材確保による効率化・経営力向上を後押しします。

本補助金の申請受付は全日本トラック協会が執行団体となって行われ、2026年1月13日~1月26日に2次公募(令和6年度補正予算分)の申請受付が予定されています。詳細な応募要件や手続きについては全日本トラック協会のホームページで公表される見込みです。事業対象者には、中小のトラック運送事業者のほか、トラック事業者と連携して効率化に取り組む荷主企業や倉庫事業者、機器・システムのリース事業者、人材育成機関なども含まれており、サプライチェーン全体での生産性向上が期待されています。

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荷役機器導入による生産性向上のメリット

補助対象となっている荷役機器を導入することで、現場の生産性や安全性に大きな効果が見込めます。それぞれの機器のメリットを具体的に見てみましょう。

テールゲートリフターの効果と利点

画像:いすゞ 公式ホームページ

テールゲートリフター(パワーゲート)はトラック後部に取り付ける昇降装置で、荷台と地面間の荷物の積み降ろしを機械で行います。これにより重量物や大型荷物でも少ない人員で安全かつ迅速に荷役作業が可能となり、作業者の肉体的負担を大幅に軽減します。近年Eコマース拡大による取扱物量の増加や人手不足の深刻化を背景に、テールリフター導入が進んでおり、少人数で効率的に荷役できる手段として注目されています。実際に、リフター未導入の現場では積み下ろしに平均30%以上も余計な時間がかかっていたというデータもあり、導入後は1回の積み降ろし作業当たり10~15分の時間短縮が可能になるとされています。

ある国交省資料によれば、手作業と比べておよそ1/3の時間で荷役が完了したとの結果も示されています。さらにパワーゲートは荷物落下や過度な力作業による事故リスクを下げ、労働災害の防止にも寄与します。重労働の緩和は女性ドライバーや高齢者など多様な人材の参入を促し、人手不足解消につながる点も重要です。


トラック搭載型クレーンの効果と利点

画像:いすゞ 公式ホームページ

トラック搭載型クレーン(ユニック車)はトラック荷台に小型クレーンを備えた車両で、建材や重量物の配送現場などで威力を発揮します。クレーン付きトラックがあればフォークリフトや人力に頼らず荷物を吊り上げて積み降ろしできるため、運転手一人で作業が完結し、人件費や作業時間の削減に直結します。他の重機を手配・待機する必要がないため拘束時間を減らし、運転手の労働時間短縮にもつながります。例えば建築資材の配送では、本来クレーン車や複数人が必要な場面でもユニック車一台で対応でき、運搬から荷下ろしまで一貫して行える機動力と多用途性がメリットです。クレーン操作によって無理な手作業を減らすことで安全性の確保にも貢献し、重い荷物の取り扱い時の事故防止につながります。

国土交通省の分析では、トラッククレーンを活用することで手荷役時と比べて荷役時間を約1/3に短縮することも可能とされています。こうした効率化によりドライバー1人当たりの生産性が向上し、人的資源の有効活用につながります。


二段積みデッキの効果と利点

画像:ワコーパレット 公式サイト

トラック搭載用二段積みデッキは、トラック荷台内に中間デッキを設置して荷物を上下二段に積載できるようにする機器です。通常はデッドスペースとなっていた荷台上部の空間を活用できるため、容積ベースでの積載効率が飛躍的に向上します。実際の導入事例では、パレット貨物を16枚から32枚へと積載枚数を倍増させることに成功し、1台のトラックで2台分の貨物を運べるケースも報告されています。荷物を二層に分けて積むことで、箱もの貨物で下段への過重を避けつつ輸送リスクを低減する効果もあります。

国交省資料によれば、デッキ導入により約2倍の積載量が実現され、生産性向上につながるとされています。特に軽量・嵩高商品や、直接重ねると破損リスクがある荷物の輸送に有効で、輸送回数の削減や燃料効率の改善にも寄与します。使わない時は折りたたんで収納できるタイプもあり、汎用性を損なわずにトラックあたりの輸送効率を最大化できるのが利点です。


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ダブル連結トラックの効果と利点

画像:国土交通省 公式サイト

ダブル連結トラック(フルトレーラ2両連結車)は、1台のトラクタで2つのトレーラーを連結して走行する特別車両です。大型トラック2台分の貨物を1人のドライバーで輸送できるため、ドライバー不足解消への大きな効果が期待されています。国土交通省の検証でも、同じ貨物量を運ぶ場合に必要なドライバー数が約半分になることが確認されており、ドライバー1人当たりの生産性が2倍近く向上します。また1台の車両でまとめて運ぶことでトラック台数を削減でき、燃料消費量やCO₂排出量も約4割削減できるとのデータもあります。輸送コストの削減や環境負荷低減の面でもメリットが大きく、特に複数拠点間を結ぶ長距離幹線輸送に適しています。実際、日本国内でも2019年以降に許可区間が拡大されており、ダブル連結トラックの導入台数は3年間で14台から205台へと約15倍に増加しました。一部企業では中継輸送の導入により、1人のドライバーが長距離を運転せずに済む時短効果も報告されており、働き方改革へのソリューションとして注目されています。

上述のように有用な荷役機器ですが、導入にあたって検討すべき課題やデメリットも存在します。補助制度を活用して設備投資する際には、以下の点に留意することが重要です。


導入コストと維持費用

機器そのものの購入費だけでなく、取り付け工事費用や定期点検・メンテナンス費用、機器重量増による燃費への影響なども考慮する必要があります。例えばテールゲートリフターは車両後部に数百kg程度の装置を追加するため、車両の積載可能重量や燃費にわずかながら影響を及ぼします。またクレーン付きトラックは通常のトラックに比べ機械部位が多いため、日常点検・整備の手間や管理コストが増加します。補助金は費用の一部であり、残りは自己負担となるため、投資対効果(どの程度の効率化・省人化が見込めるか)を十分に試算した上で導入計画を立てることが肝要です。


操作人員の育成と安全対策

新たな機器を導入すれば、現場では適切な操作スキルの習得が必要になります。とりわけテールゲートリフターについては、労働安全衛生規則の改正により2024年2月1日から特別教育の受講が義務化されました。教育を受けていない作業者にリフター操作をさせることは法律で認められておらず、違反すると事業者が罰則を受ける可能性があります。トラッククレーンもまた一歩間違えば重大事故につながりかねない機械です。実際に「簡単に操作できてしまうこと自体がデメリット」と指摘する専門家もおり、操作ミスによる人身事故・荷崩れ事故を防ぐには十分な安全教育と資格取得(小型移動式クレーン免許等)を徹底する必要があります。現場では、機器導入後も規制遵守(安全基準の順守)と安全管理の強化が不可欠です。


用途適合性と稼働率

導入した機器を十分に活用できるかどうか、自社の業務内容との適合も検討すべきです。例えば二段積みデッキはパレット物や比較的軽量な荷物には有効ですが、積載物が常に重量ギリギリの場合や高さのある機械物が多い場合、デッキを使用できる機会は限られるかもしれません。クレーン付きトラックも、自社貨物の特性によっては「ほとんどクレーンを使わない」状況になりうるため、適材適所で導入することが重要です。宝の持ち腐れとならないよう、自社の貨物量・荷姿・配送先ニーズを分析し、機器の稼働見込み(使用頻度)を踏まえて導入判断を行いましょう。

また、ダブル連結トラックに関しては運用上の制約にも注意が必要です。日本では全長21m超の車両は特殊車両通行許可が必要で、走行可能な区間が高速道路等に限られるため、自由な経路設定が難しい現状があります。許可手続きに時間を要し即時運行ができない問題も指摘され、2022年から許可手続きの迅速化策(特殊車両通行確認制度)が導入されましたが、ダブル連結トラックは対象外で従来通り個別許可が必要です。さらに、中継拠点での切り離し作業やトレーラー積み替えを前提とした配車ノウハウも求められるため、導入にあたっては運行計画の綿密な設計と社内オペレーションの構築が欠かせません。


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まとめ:補助制度を活用した生産性向上への展望

国交省の「中小物流事業者の労働生産性向上事業」は、深刻化するドライバー不足や長時間労働の是正といった物流業界の課題に対し、設備投資を通じた現場改革を後押しするタイムリーな施策です。施行から1年半以上が経過した働き方改革関連法の下で、運送各社は労働時間管理と輸送効率の両立という難題に直面しています。

本補助金を活用してテールゲートリフターやトラッククレーンなどを導入すれば、少人数での荷役や積卸し時間短縮が実現し、ドライバー1人当たりの輸送生産性を高める効果が期待できます。生産性向上は即ち余裕時間の創出につながり、結果的に法定労働時間内でより多くの配送を完結できる体制づくりにも寄与するでしょう。加えて、荷役負担の軽減や安全性向上は従業員の定着率アップや女性・高齢人材の活用促進にもつながり、将来の人手不足緩和に資する好循環を生み出します。

もっとも、機器導入は決して万能薬ではなく、費用対効果の検証と安全運用体制の確立があってこそ初めて真価を発揮します。補助金という追い風を活かしつつ、自社の業務実態に即した設備投資と、人材育成や運用ルール整備を両輪で進めることが重要です。

読者である運送事業者の皆様におかれては、本制度の活用を検討しながら、自社の生産性向上プランを練り直す契機としていただければと思います。現場の効率化と働き方改革の推進によって、持続可能な物流経営への道を切り拓くことができるでしょう。今回の補助事業はその第一歩を踏み出すための心強い支援策と言えます。ぜひ積極的に情報収集し、申請期限内のエントリーと計画的な機器導入をご検討ください。政府の後押しを追い風に、業界全体で生産性向上と労働環境の改善を実現していきましょう。

(補助金の詳細は国土交通省および全日本トラック協会の公式発表をご参照ください。)

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