本記事は、2025年10月末時点における法令、会社規則、および一般的な業界慣行をもとに作成しています。
記事内で解説する内容は、トラックリースバック制度に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資判断や契約締結を勧誘するものではありません。
今後、法令や会計基準、各社の内部規定が変更される可能性があります。そのため、実際にご検討される際は、最新の法令・制度をご確認のうえ、専門家(税理士・弁護士・ファイナンシャルアドバイザー等)にご相談ください。
本記事の内容に基づく行動により生じたいかなる損害についても、当社および執筆者は一切の責任を負いかねます。
トラック業界の「2024年問題」とは
ドライバーの長時間労働是正を目的に、2024年4月から自動車運転業務への時間外労働上限規制が適用されました。具体的には年間960時間までの時間外労働、1ヶ月の拘束時間は原則284時間(繁忙期でも最大310時間)等の厳しい上限が設けられ、ドライバー1人当たりの運べる輸送量が減少することになりました。この『2024年問題』により、配送遅延や運送会社の収益悪化が重要な経営課題として継続的に問題視されてきました。働き方改革関連法による時間外労働上限規制は労働環境改善が目的ですが、トラック業界では売上・利益の減少やドライバーの収入減少につながる恐れが指摘されてきました。では、施行から1年半以上が経過した今、現場ではどのような変化が生じているのでしょうか。
規制強化の効果:拘束時間は短縮も、収益・収入は悪化
新たな時間外労働上限規制のもと、運送各社でドライバーの拘束時間(残業時間を含む総労働時間)は減少しました。ある中小運送会社では「ドライバーの休日が以前は半年に1日という状況もあったが、規制導入で勤務時間は短くなった」との声が上がっています。しかしその一方で、運行本数の減少により会社の利益も縮小し、残業代が減ったことでドライバーの手取りも下がっている状況です。実際、規制遵守のため会社全体の売上や利益が減少し、ドライバー個人の収入も減ったケースが各所で報告されています。
労働時間短縮という効果と引き換えに、「走ってなんぼ」の業界で走行時間が制限されれば利益が出せないという声も上がっています。「走ることが制限されてしまえば、どう儲ければいいのか…」と嘆く経営者もおり、現状では利益はほとんど出ていないといいます。ドライバーの待遇改善を図るはずの施策が、皮肉にも収入減による離職につながりかねないとの指摘もあります。現場では「労働時間を短くしても給料を下げないよう運賃交渉するのが本来の対策ではないか」との意見も出ていますが、実際にはそれが難しい実情が浮き彫りになっています。

運賃交渉の綱渡り:わずかな値上げにとどまり荷主企業との攻防
ドライバーの労働時間短縮に伴う人件費上昇分や生産性低下分をカバーすべく、運送各社は荷主企業に対し運賃の引き上げ交渉を進めています。ある中堅運送会社では、本来必要な20~30%の値上げを目標に掲げました。しかし、実際に実現できたのは年間2~3%程度の小幅値上げにとどまっているのが現状です。
ある運送会社では約10%の運賃の引き上げと高速料金の荷主企業負担をようやく勝ち取りましたが、それでも十分ではないとしています。荷主企業も“一気に上げると後で下げづらい”との判断から段階的な値上げを模索しており、運賃交渉は綱渡りの状態です。交渉が決裂し、長年取引してきた荷主企業との契約を終了した会社もあります。
さらに、運賃がわずかに上がった場合でも、規制遵守のための時間短縮のための高速道路利用などで経費が増え、利益が相殺される場合があります。
重荷となるコスト増:トラック車両価格や修繕費の高騰
ドライバーの拘束時間削減に対応する一方で、経営者の頭を悩ませているのが車両や諸経費の高騰です。近年のインフレや安全装備充実の影響で、新車トラックの価格は毎年約200万円ずつ上昇している。古いトラックの修理費用も年々上昇しており、5年で償却するのも難しい状況です。
人件費の高騰も無視できません。人手不足によるドライバー争奪戦の結果、給与水準が上昇し、社会保険料負担も増えています。こうしたコスト増要因が重なり、薄利の業界では経営を直撃しています。
規制緩和論議の波紋:働き方改革の行方
こうした状況を受け、政権では労働時間規制の緩和を検討する動きもあります。新たな首相は働き方改革の上限規制見直しに言及し、社会に波紋が広がっています。
現場のドライバーからは「働く時間がこれ以上長くなるのは耐えられない」「昔のような長時間労働に戻りたくない」という強い反発があります。一方で、「もっと働いて収入を増やしたい」という層からは歓迎の声も上がります。
また運送業界の経営側からは「労働時間だけが制限され、人手不足が深刻化した」IT業界の経営側からは、「技術力向上の機会が減ることで国際競争力が低下している」との不満が出ています。
消費者の意識改革も不可欠:『送料無料』の弊害
物流の持続性を確保するためには、消費者側の意識改革も重要です。通販で『送料無料』が当然視されている現状では、運送会社が適正な運賃を受け取れず、構造的に価格転嫁が難しくなっています。
政府は『送料無料』表示の見直しに乗り出し、送料の実態を示す取り組みが始まっています。実際に一部の企業では『送料無料』の文言をやめ、送料負担が存在することを明示する表示に切り替えています。
おわりに
2024年問題への対応は労働環境の改善という一定の成果を生みましたが、その裏では企業収益悪化や収入減という深刻な課題が残っています。今後は、
- 適正運賃の収受
- 効率化投資の支援
- 消費者の意識改革
- 働き方の選択制の導入
これらを組み合わせ、社会全体で物流の持続可能性を支える仕組みが求められます。
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