深夜の路上駐車ゼロへ―ボートレース戸田バスターミナルを活用した戸田市の挑戦―

倉庫都市が直面した“夜の危機”

埼玉県南部・戸田市。首都圏の物流を支える倉庫や運送会社が集積する一大拠点だ。
だがその裏で、夜間に大型車両が道路両側に違法駐車する光景が常態化していた。
照明を落とした暗い道路に突如現れるトレーラーや大型トラック。通行の妨げとなるだけでなく、追突事故を誘発する危険が日常的に潜んでいた


協議会設立――2003年の決断

この深刻な問題に立ち向かうため、2003年(平成15年)、戸田市、蕨警察署、そして地元の営業倉庫や運送会社がタッグを組み、
**「戸田市貨物自動車等路上駐車対策協議会」**を設立した。
目的はただ一つ――違法駐車による事故を撲滅すること

設立当初から協議会は、単なる規制強化ではなく、ドライバーが安心して車を停められる受け皿づくりに力を注いだ。
その象徴的な施策が、夜間に使用されていないボートレース戸田のバスターミナルを無料駐車場として開放する取り組みだ。

画像:戸田市貨物自動車等路上駐車対策協議会 公式ホームページ

“眠れる資産”をトラックのオアシスに

レース開催日の熱気が去った深夜、広大なバスターミナルは静寂に包まれる。
協議会はここを20時から翌朝8時までトラックに開放
年間およそ6,000台もの大型車両がここで荷待ちや仮眠を取り、路上から姿を消した。

その結果、路上駐車トラックに衝突する死亡事故はゼロ件
ドライバーは安心して休息でき、周辺住民も深夜のエンジン音やアイドリング騒音から解放された。
当初懸念されたマナー問題もほとんど見られず、市民・業界・行政が三位一体で成果をあげたモデルケースとなっている。


広がる連携と賛同の輪

活動は協議会メンバーだけに留まらない。
2007年には会則を改正し、物流企業以外の一般市民や他業種の企業、市民団体にも賛助会員の門戸を開いた。
現在ではボートレース戸田や賛助会員企業が連携し、荷主企業のイベント開催など地域に根ざした活動へと広がっている。

戸田市長・菅原文仁氏は

「設立以来、交通事故防止と安全な交通環境確保に多大な成果を上げていただいている」と
協議会の尽力を称える。
また、蕨警察署長も
「約20年続く夜間無料開放は、市民生活に大きく貢献している」
と評価する。


持続可能な交通安全モデルへ

いまやこの取り組みは、ドライバーの働き方改革の一助としても定着。
夜間の待機・休憩環境を確保することで、過重労働や疲労運転の抑止にもつながっている。
戸田市も協議会の賛助会員として、利用しやすい駐車場環境の整備を今後さらに進めていく方針だ。

理事長・飯島典常氏はこう力を込める。

「市内の安全と秩序を守るため、私たちは持続可能な取り組みを続けます。
皆様のご支援とご協力をお願いしたい。」


戸田市から全国へ

全国の都市部でも同様の悩みを抱える物流拠点は少なくない。
夜間に未使用となる公共施設を、地域と業界が協働して“夜の駐車場”として活用する――。
戸田市モデルは、交通安全と物流課題を同時に解決する持続可能なソリューションとして、他自治体に大きなヒントを与えている。

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