1. 不動産リースバックとは

「不動産リースバック」とは、自宅を不動産会社などに売却し、その後、賃貸契約を結んで家賃を支払うことで、引き続き同じ家に住み続けることができる仕組みです。
主に高齢者の老後の資金確保の手段として用いられます。リースバックすることによって、資金の確保と同時に売却した家に住み続けることが可能になります。持ち家から賃貸契約に変わることで、固定資産税の支払いが不要になります。さらに、マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いもなくなります。
2. トラックリースバックとは

「トラックリースバック」とは、自社車両をリース会社に売却し、その後、リース契約を結んでリース料を支払うことで、引き続き同じ車両を使い続けることができる仕組みです。
主にトラックを使用する運送業者などの資金確保手段として用いられます。リースバックすることによって、資金の確保と同時に売却したトラックを使い続けることが可能になります。また、トラックをリースバックすることによって、所有者がリース会社に移行するため、同じ車両を使用している場合でも、自動車税の支払いがなくなります。さらに、オペレーティングリース方式を採用しているトラックリースバックを利用することで、資金調達以外にもトラックが貸借対照表上に資産計上されなくなるというメリットがあります。これにより、決算書上の資産効率が上がり、経営評価もプラスに働き、企業価値の向上につながります。
3. 共通のメリット
不動産リースバック | トラックリースバック | |
---|---|---|
資金調達 | 〇 | 〇 |
売却した資産を引き続き使うことができる | 〇 | 〇 |
固定コストの削減 | 〇 | 〇 |
1. まとまった資金を確保できる
不動産リースバックでは、住まいを売却することでまとまった現金を得ることが可能です。
この資金は、老後資金、事業の立て直し、医療・介護費用など、幅広い目的に活用できます。実際に活用できる資金を得られるという点が、大きな魅力です。
同様に、トラックリースバックでも車両という資産を売却して現金化することが可能です。
普段は減価償却されるだけだった車両が、一気に資金に変わることで、事業運営の選択肢が広がります。設備投資・人材採用・借入金の返済など、その使い道は自由です。
2. 資産を手放しても“使い続けられる”
不動産リースバックの大きな魅力は、売却後もそのまま自宅に住み続けられる点です。
住み慣れた環境を変えずに生活を継続できるため、特に高齢者の方には精神的な安心感があります。周囲との関係や生活リズムを維持したまま、資金だけを確保できる――これが不動産リースバックの基本的なメリットです。
同様に、トラックリースバックも売却後も同じ車両を使い続けられるというメリットがあります。
車両を売却した後、そのままリース契約を結ぶことで、これまで通り業務に使用できます。さらに、契約終了時に買い戻せる**「買戻し条項」**も設定されている場合は、資産として再取得する選択肢も残されています。
3. 固定コストの削減
不動産リースバックでは、物件の所有者でなくなることで、固定資産税や修繕費などの支出から解放されます。
管理・維持の手間や費用を抑えられるため、長期的な家計負担の軽減につながります。
これに対してトラックリースバックでも、維持コスト削減の効果は見逃せません。
リース契約に移行することで、自動車税の納税義務はリース会社側に移るため、企業側の固定的な支出が抑えられます。
4. 共通のデメリット
不動産リースバック | トラックリースバック | |
---|---|---|
リース料が発生 | 〇 | 〇 |
リース物の改造の許可 | 〇 | 〇 |
修理費は借主負担 | 〇 | △ |
買戻し条項の有無 | △ | △ |
契約期間満了後に“使えなくなる”可能性 | △ | △ |
4-1. 利用継続には“家賃”や“リース料”が発生する
不動産リースバックの利用者にとって大きな負担となり得るのが、毎月の賃料の支払いです。
売却によって得た資金は魅力的ですが、売却後は新たな賃貸契約が発生するため、相場よりも割高な賃料が設定されることもあります。これは、買主が投資目的で不動産を取得しているため、一定の利回りを確保するために賃料が高くなる傾向があるのです。
トラックリースバックも同様に、売却後はリース料の支払いが継続的に発生します。
一時的には資金が得られても、毎月のリース料が事業の固定費として積み上がることになるため、総額でのコスト比較と資金繰りのシミュレーションが重要です。
4-2. 所有していたときのような“自由な使い方”はできない
不動産の場合、売却後は所有権を失い、賃借人として建物を使い続ける形になります。
このため、リフォームや間取り変更といった改修を自由に行うことは難しくなります。大家(新たな所有者)の承諾が必要となり、居住空間の自由度が制限されるケースもあるのです。
一方、トラックリースバックでも、車両のカスタマイズにはリース会社の許可が必要です。
業務に応じた架装や内装の変更を行いたくても、リース物件である以上、勝手に改造することはできません。特に運送業や建設業では、仕様変更のニーズが高いため、事前確認は不可欠です。
4-3. 維持・修繕にかかる費用の負担はケースによって異なる
不動産リースバックの場合、所有者ではなくなるため、固定資産税や修繕費といった負担は軽減されます。
ただし注意が必要なのは、賃貸借契約の内容によって、借主側も修理・メンテナンスの一部を負担する可能性があるという点です。
また、トラブルの対応や簡易修理など、借主に委ねられる範囲は完全に免除されるわけではありません。
トラックリースバックでは、車検・修理・原状回復費などの維持費用は基本的にすべて借主負担です。
リース期間中の管理義務や、返却時の損耗確認・原状復帰対応なども企業側が担います。
そのため、自動車保険やメンテナンス契約など、万が一に備えた対策が求められます。
4-4. 「戻せない」リスクに注意
不動産リースバックでは、買戻しの権利が付いていない契約も存在します。
その場合、いったん売却してしまった物件を将来的に取り戻すことができないため、「やっぱり手元に戻したい」と思っても再取得が不可能になります。
感情的なつながりや生活基盤を維持したい場合は、買戻し特約の有無を必ず確認することが大切です。
トラックリースバックの場合も、すべての契約に買戻しオプションが付いているとは限りません。
ただし、ファンドクリエーションの「FC車両リース」のように、明確な買戻し条件があらかじめ契約に盛り込まれている場合もあります。
再取得の意向があるなら、契約内容を慎重にチェックすることが必要です。
4-5. 契約期間満了後に“使えなくなる”可能性
不動産リースバックでは、定期借家契約が多く、契約期間満了後に更新されず立ち退きを求められるリスクがあります。
また、滞納や契約違反があった場合は、契約期間中でも明け渡しを要求されるケースがあります。
将来的に住み続けられる保証がない点は、不動産リースバック特有の不安要素です。
トラックリースバックでも、契約期間中の中途解約は基本的に不可であり、業績悪化や環境変化によって「車両を手放したい」と思っても、違約金が発生する恐れがあります。
リースは長期的な契約になることが多いため、柔軟な運用には不向きという面があるのです。
5.それぞれのデメリット
5-1. 不動産
5-1-1. 賃料が高額に設定されることがある
不動産リースバックのデメリットは、賃料が高額に設定されることがある点です。
売却後に住み続けるためには、毎月の賃料を支払う必要がありますが、その金額が相場より高めに設定されるケースもあります。これは、買主側が投資回収を前提として賃料を決めるためであり、長期的に住み続ける場合には大きなコスト負担になる可能性があります。
5-2. トラック
5-2-1. 契約期間内の中途解約はできない
トラックリースバックのデメリットは、原則として契約期間中の中途解約ができない点です。
リース契約は一定期間の利用を前提としており、途中解約には違約金が発生する場合がほとんどです。事業環境の変化に柔軟に対応しづらいため、契約期間と将来の運用計画をしっかりと見通したうえで契約を結ぶことが求められます。
結論:大枠は同じ。ただし、対象とリスクは異なる
不動産リースバックとトラックリースバックには、仕組み上の大きな違いはほとんどありません。
特にメリットに関しては、どちらも「資産を売却しながら使い続けられる」「まとまった資金を確保できる」「維持費が軽減される」など、非常によく似ています。
これは、両者が共通して「資金調達」を目的としているためです。
一方で、利用する対象者には明確な違いが見られます。
不動産リースバックの多くは個人を対象としており、感情的な側面(住環境の維持や生活基盤)も重視されます。
対して、トラックリースバックは主に法人を対象としており、財務戦略や設備管理の一環として扱われるため、コストや契約面において実務的な視点が強く求められます。
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