2025年4月6日未明、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)の管轄する高速道路において、ETC(電子料金収受システム)が利用できなくなる大規模な障害が発生しました。この障害は、東名高速道路や中央自動車道などを含む16路線96か所に影響を与え、7都県でETC専用レーンやスマートインターチェンジ(スマートIC)の閉鎖を引き起こしました。
目次
障害の概要と発生原因
- 発生時期と影響
障害は4月6日午前0時30分頃に発生し、ETC制御設備が正常に動作しなくなりました。これにより、ETC専用レーンが閉鎖され、一般レーンでの対応を余儀なくされました。また、スマートICの閉鎖も相次ぎました。 - 原因
障害の原因として、4月5日に実施された深夜割引見直しに向けたシステム改造作業が関係している可能性が指摘されています。この作業では料金所システムの上位サーバー整備やシステム間の連携調整が行われており、これが不具合を引き起こした可能性があります。ただし、調査の結果、改造作業との直接的な因果関係は確認されておらず、課金データのやり取りに異常があった可能性も浮上しています。
利用者への影響
- 交通渋滞と事故
障害は広範囲で大規模な渋滞を引き起こし、愛知県内では関連する交通事故が6件発生し、11人が負傷しました。また、この期間中、一部料金所では通行券を発行して出口を開放する措置が取られましたが、多くの利用者に混乱を与えました。 - 後払い対応
NEXCO中日本は障害発生中に通過した料金について、後払い方式を導入しました。利用者はウェブサイト上でQRコードを使用して支払うよう求められています。
復旧と今後の対策
- 復旧状況
応急復旧作業が進められた結果、障害発生から約38時間後の4月7日午後2時頃に全てのETCゲートで運用が再開されました。 - 再発防止策
今回の障害を受けて、以下のような対策が求められています:- システム改修時のリスク管理強化
- 冗長化構成やバックアップ体制の見直し
- 障害時の迅速な情報提供体制の確立
まとめ
今回のETCシステム障害は、多くの利用者に不便と混乱をもたらしました。特に春休み期間中というタイミングも重なり、その影響は広範囲に及びました。NEXCO中日本は早急な原因究明と再発防止策を講じる必要があります。また、利用者目線での柔軟な対応や情報提供も今後の課題として挙げられるでしょう。
例えば、柔軟な対応として、システムエラーによって一定距離以上の渋滞が発生した場合、高速道路を無料開放する仕組みをマニュアルに組み込むことも検討すべきです。このような対応によって、春休み期間中に遊びに出かけている家族や業務中の運送業者への負担を最小限に抑えることができます。特に物流業界では遅延による経済的損失も大きいため、このような措置は利用者全体への配慮として重要です。
まとめ
今回のETCシステム障害は、多くの利用者に不便と混乱をもたらしました。特に春休み期間中というタイミングも重なり、その影響は広範囲に及びました。NEXCO中日本は早急な原因究明と再発防止策を講じる必要があります。また、高速道路無料開放など柔軟な対応策をマニュアル化することで、利用者目線でのサービス向上と信頼回復につながるでしょう。