自動車運送業における特定技能外国人受け入れの手引き

目次

自動車運送業における特定技能外国人受け入れの手引き

背景

日本の自動車運送業界は深刻な人手不足に直面しています。特に大型第一種免許の保有者が減少し、若年ドライバーの割合も低下しています。このような状況を受け、特定技能制度が導入され、自動車運送業(トラック区分)が新たに特定技能の対象分野として追加されました。

特定技能制度とは

特定技能制度は、一定の専門性と技能を持つ外国人労働者を受け入れるための制度です。2019年4月に創設され、特定技能1号と2号に分かれています。自動車運送業では、主にトラックやタクシー、バスの運転が対象となります。

受け入れ要件

※出典元:公益社団法人 全日本トラック協会「自動車運送業分野 トラック区分における特定技能外国人受け入れの手引き」

所属機関(企業)の要件

企業は労働・社会保険・租税に関する法令を遵守し、過去1年間に非自発的離職や外国人行方不明者を発生させていないことが求められます。また、「義務的支援」を実施する費用を負担する必要があります。

トラック区分の上乗せ要件

  • 道路運送法に基づく自動車運送事業を経営していること。
  • 働きやすい職場認証や安全性優良事業所(Gマーク)を取得していること。
  • 「自動車運送業分野特定技能協議会」の構成員であること。

人材側の要件

  • 年齢:18歳以上(中型・大型免許はそれぞれ20歳以上、21歳以上)。
  • 健康状態:良好であること。
  • 技能:中型・大型免許の取得および評価試験合格。
  • 日本語能力:日本語能力試験N4以上など。

採用プロセス

特定技能人材の採用は、国内外から可能です。採用プロセスは以下の通りです。

  1. 採用検討開始から内定まで: 国籍や宗教への配慮が必要です。人材紹介業者や登録支援機関を通じて募集し、オンライン面接を行います。
  2. 内定から入国/国内移動まで: 特定技能協議会への加入や入管への申請が必要です。移動費用は企業負担が一般的です。
  3. 入国/国内移動から業務開始まで: 寮の手配や社内研修を行い、日本語研修も並行して実施します。

注意点とまとめ

特定技能人材を採用する際には、法令遵守や適切な支援体制が求められます。また、費用面も考慮し、自社での採用が妥当か慎重に判断することが重要です。特定技能制度は、人手不足解消に向けた有効な手段ですが、様々な要件と手続きが伴います。企業はこれらを理解し、適切な対応を心掛けましょう。

目次