
茂さん、最近「標準運賃」という言葉をよく聞くんですけど、これって何ですか?

ああ、標準運賃ね。簡単に言うと、トラック運送業界の運賃を適正化するための基準だよ。2024年6月1日から新しい標準運賃が施行されるんだ。

へえ、そうなんですね。でも、なぜ今になってそんな基準が必要になったんですか?

それはね、ドライバーの労働環境を改善するためだよ。長時間労働や低賃金が問題視されて、ドライバー不足が深刻化してるんだ。そこで、国土交通省が運賃水準を引き上げることで、ドライバーの賃上げの原資を確保しようとしてるんだ。

なるほど。具体的にはどんな内容が変わるんですか?

いくつかのポイントがあるんだけど、まずは運賃表が改定されて、平均で約8%の引き上げが実施される。これは荷主への適正な転嫁を促進するためだね。

8%も引き上げるんですか!それは大きいですね。

そうだね。それに、燃料費の基準価格も1リットルあたり120円に設定されて、燃料サーチャージもそれに合わせて設定される。さらに、荷役作業ごとの料金体系も導入されるんだ。

荷役作業ごとの料金って、具体的には?

待機時間料に加えて、積込料や取卸料などの荷役作業に応じた料金が新設される。荷待ちや荷役作業が合計2時間を超える場合には、割増率5割が適用される新たな体系だよ。

それはドライバーにとってはかなり良いニュースですね。

そうだね。あと、標準運送約款も見直されて、運送業務と運送以外の業務を別章に分離し、運送以外の業務の対価を収受する旨が明記される。これで、ドライバーが適正な対価を得やすくなるんだ。

なるほど。でも、荷主側はどう思ってるんですか?

荷主側も基準に従った適正なコストを把握することで、法令遵守に則った透明性のある取引が可能になる。無理な価格競争を避け、持続的なコスト管理や効率化を図ることが期待されてるんだ。

それは業界全体にとって良いことですね。

そうだね。この改定は「2024年問題」を背景に、ドライバーの労働環境改善と適正な対価の収受を目指してる。国土交通省も関係省庁や産業界と連携して、この新制度の実効性確保に努めてるんだ。

なるほど、よくわかりました。ありがとうございます。

どういたしまして。これからもこの流れを注視し、業界全体が健全に発展していくことを願ってるよ。
標準運賃の詳細
新たな標準運賃の背景
2024年6月1日から施行される新たなトラックの標準的運賃は、国土交通省によって告示され、運賃水準が平均8%引き上げられました。この見直しは、ドライバーの労働条件改善や賃上げの原資確保を目的としています。
新たな運賃のポイント

新しい標準運賃には以下の3つの柱があります。
1. 荷主等への適正な転嫁
- 運賃水準の引き上げ幅を提示
- 運賃表を改定し、平均約8%の運賃引上げ
- 原価のうちの燃料費を120円に変更し、燃料サーチャージも120円を基準価格に設定
- 荷待ち・荷役等の対価について標準的な水準を提示
- 待機時間料に加え、荷役作業ごとの「積込料・取卸料」を加算
- 標準運送約款において、運送と運送以外の業務を別の章に分離し、荷主から対価を収受する旨を明記
2. 多重下請構造の是正等
- 「下請け手数料」を設定
- 荷主、運送事業者双方が運賃・料金等を記載した電子書面を交付することを明記
3. 多様な運賃・料金設定等
- 共同輸配送等を念頭に、「個建運賃」を設定
- リードタイムが短い運送の際の「速達割増」や、有料道路を利用しないことによるドライバーの運転の長時間化を考慮した割増を設定
新たな運賃導入の意義
この改定は、「2024年問題」を背景に、ドライバーの労働環境改善と適正な対価の収受を目指しています。国土交通省は関係省庁や産業界と連携し、この新制度の実効性確保に努めています。
トラック運送業界は、新たな標準運賃の導入によって大きな変革期を迎えています。これにより、ドライバーの労働条件が改善されるだけでなく、持続可能なビジネスモデルへの移行が期待されています。今後もこの流れを注視し、業界全体が健全に発展していくことを願っています。
物流業界もタクシー業界のように全国規模で料金体系を作るべきか?
前文
トラック運送業界は、ドライバーの労働環境改善や適正な運賃の確保を目指して、2024年6月1日から新たな標準運賃が施行されました。しかし、この標準運賃はあくまでも「標準」であり、全国一律の料金体系を導入するにはまだ多くの課題が残されています。そこで今回は、物流業界もタクシー業界のように全国規模で料金体系を作るべきかどうかを考察します。
標準運賃の詳細
新たな標準運賃の背景
2024年6月1日から施行される新たなトラックの標準的運賃は、国土交通省によって告示され、運賃水準が平均8%引き上げられました。この見直しは、ドライバーの労働条件改善や賃上げの原資確保を目的としています。
新たな運賃のポイント
新しい標準運賃には以下の3つの柱があります。
1. 荷主等への適正な転嫁
- 運賃水準の引き上げ幅を提示
- 運賃表を改定し、平均約8%の運賃引上げ
- 原価のうちの燃料費を120円に変更し、燃料サーチャージも120円を基準価格に設定
- 荷待ち・荷役等の対価について標準的な水準を提示
- 待機時間料に加え、荷役作業ごとの「積込料・取卸料」を加算
- 標準運送約款において、運送と運送以外の業務を別の章に分離し、荷主から対価を収受する旨を明記
2. 多重下請構造の是正等
- 「下請け手数料」を設定
- 荷主、運送事業者双方が運賃・料金等を記載した電子書面を交付することを明記
3. 多様な運賃・料金設定等
- 共同輸配送等を念頭に、「個建運賃」を設定
- リードタイムが短い運送の際の「速達割増」や、有料道路を利用しないことによるドライバーの運転の長時間化を考慮した割増を設定
新たな運賃導入の意義
この改定は、「2024年問題」を背景に、ドライバーの労働環境改善と適正な対価の収受を目指しています。国土交通省は関係省庁や産業界と連携し、この新制度の実効性確保に努めています。
おわりに
トラック運送業界は、新たな標準運賃の導入によって大きな変革期を迎えています。これにより、ドライバーの労働条件が改善されるだけでなく、持続可能なビジネスモデルへの移行が期待されています。今後もこの流れを注視し、業界全体が健全に発展していくことを願っています。
タクシーのように全国一律の料金体系にした場合のメリットとデメリット
メリット
1. 透明性の向上
全国一律の料金体系を導入することで、運賃の透明性が高まります。荷主や消費者は、どこでどの運送会社を利用しても同じ料金体系に基づいて料金が決まるため、料金の予測可能性が向上します。これにより、荷主との交渉がスムーズになり、運送会社の収益性も安定します。
2. 公平な競争環境
全国一律の料金体系は、運送会社間の不公平な競争を防ぎます。現在、地域や荷主との関係性によって運賃が大きく異なることがありますが、全国一律の料金体系を導入することで、すべての運送会社が同じ条件で競争することが可能になります。
3. 労働環境の改善
運賃の適正化により、ドライバーの労働条件が改善されます。現在、物流業界ではドライバー不足が深刻化しており、適正な運賃を確保することで賃上げの原資を確保し、労働環境の改善につなげることが期待されます。
4. 荷主の理解と協力
全国一律の料金体系は、荷主が運送会社の実際のコストを理解しやすくします。これにより、荷主が適正な運賃を支払う意識が高まり、運送会社の経営が安定する可能性があります。
デメリット
1. 地域差の無視
全国一律の料金体系は、地域ごとの物流コストの違いを無視する可能性があります。例えば、都市部と地方では物流コストが異なるため、全国一律の料金体系では地域ごとの特性を反映しにくいです。
2. サービス品質の低下
一律の料金体系では、サービス品質の向上に対するインセンティブが低下する可能性があります。運送会社が独自のサービスを提供する余地が少なくなり、競争力の低下につながる恐れがあります。
3. 導入コストと抵抗
全国一律の料金体系を導入するためには、既存の運賃体系を変更する必要があり、運送会社や荷主に大きな負担がかかります。また、既得権益を持つ企業からの抵抗も予想されます。
導入が進まない理由
1. 多様な運賃体系の存在
物流業界では、荷主との関係性や輸送距離、荷物の種類などによって運賃が大きく異なります。これらの多様な運賃体系を一律にするのは困難です。
2. 地域ごとの特性
地域ごとの物流コストや需要の違いを考慮する必要があります。全国一律の料金体系では、これらの特性を反映しにくいため、導入が進まない一因となっています。
3. 荷主との交渉力の弱さ
運送会社は荷主との交渉力が弱く、適正な運賃を収受することが難しい状況にあります。全国一律の料金体系を導入しても、荷主がそれに従うかどうかは不確定要素です。
4. 法制度の整備不足
現行の法制度では、全国一律の料金体系を強制する力が弱いです。標準的な運賃を提示しても、荷主がそれに従わない場合の対策が不十分です。
5. 業界の抵抗
既存の運賃体系に依存している企業や、地域ごとの特性を重視する企業からの抵抗が強いです。これらの企業は、全国一律の料金体系が自社の利益を損なうと考えています。
締めの文章
全国一律の料金体系を導入することで、物流業界の透明性や公平性、労働環境の改善が期待されます。しかし、地域差や多様な運賃体系の存在、荷主との交渉力の弱さ、法制度の整備不足、業界の抵抗などが導入を阻む要因となっています。これらの課題を解決するためには、政府と業界が連携して制度改革やインフラ整備を進めることが求められます。物流業界の持続可能な発展のためにも、全国一律の料金体系の導入を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
添付資料
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