物流業界は今、大きな転換期を迎えています。
2024年問題として知られるこの課題に直面する中で、各社はどのような対策を講じるべきでしょうか。
このシリーズ「5分でわかる『2024年問題とその対策』」では、2024年問題への様々な具体的な対策について解説します。

前回の第5回では2024年問題改善に向けた具体的な対策について解説しました。今回の第6回でも引き続き具体的な対策について詳しく解説します。

今回は具体的な対策として、自社配達して積荷の分離による拘束時間の削減についてです。
幹線輸送部分と集荷配送部分の分離による拘束時間の削減した事例
物流業界において、幹線輸送部分と集荷配送部分を分離することで、ドライバーの拘束時間を大幅に短縮することが可能です。以下、その具体的な手法とメリットについて説明します。
- 1. 分離による拘束時間の短縮
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現在、集荷から幹線輸送、端末配達までを同じドライバーが行っている場合、以下の分離策を実施することで拘束時間を短縮できます。
・集荷担当と幹線輸送担当の分離: 集荷を専門に行うドライバーと、幹線輸送を専門に行うドライバーを分ける。
・幹線輸送担当と端末配送担当の分離: 幹線輸送を行うドライバーと、端末配送を行うドライバーを分ける。これにより、それぞれのセクションに特化したドライバーが効率的に作業を進められ、拘束時間が短縮されます。
- 2. 荷主企業にとってのメリット
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この方法を導入することで、荷主企業にも以下のようなメリットがあります。
入出荷形態の大きな変更不要: 現行の入出荷形態に大きな変更を加えることなく、ドライバーの労働環境を改善できます。
労働環境の改善: ドライバーの拘束時間を短縮することで、労働環境が改善され、長期的な労働力の安定が期待できます。 - 3. コストと運賃の検討
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この分離策を導入する際には、ドライバーや傭車の確保に伴うコストが発生する可能性があります。そのため、関係者間での運賃に関する検討が重要なポイントとなります。

次に参考事例について詳しく解説します。
参考事例①: 卸し地域内配送の外部委託による労働時間削減(熊本県)
成功のポイント
- 市場納品時間の短縮: 市場納品時間を全体として早めることができました。
- 小ロット先の委託: 小ロットの配送を外部委託することで、費用対効果を高めました。
- 具体的な例として、6市場7社への配送のうち、3市場3社の配送を委託することで労働時間の削減が実現しました。
課題
- 熊本県から関東地方までの配送において、休息時間が十分に取れず、特に初日から2日目の運行で改善基準告示の遵守が難しい状況にあります。
- 関西以遠への運航便にはフェリーを活用するなどの対策が講じられていますが、多店卸配送地域での運転時間や荷役時間の削減には有効な対策が取れていません。
改革後のメリット
- ・発荷主のメリット
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ルートの早い地点で委託先に積み替えることで、市場納品時間を全体として早めることができます。
- ・運送事業者のメリット
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拘束時間と運転時間が短縮されました。ただし、荷役時間は積み替え時間との相殺で効果は小さいです。
小ロット先のみ委託することで、費用対効果を高めることができました。
このように、幹線輸送部分と集荷配送部分の分離は、運送業界全体の効率化と労働環境の改善に大きく貢献します。関係者間での協力と適切な運賃設定が成功の鍵となります。
※出典:厚生労働省,国土交通省,公益社団法人 全日本トラック協会「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン事例集
- 今回取り上げた自社配達区間の委託は、運送会社だけでなく荷主にとっても大きなメリットがあります。この方法を導入するには、配達料の値上げを伴うので時間をかけて関係者間での協議が必要です。しかし、2024年問題の解決には、運送業界の関係者全員が協力し合うことが不可欠です。
- 交渉術に関する詳細な解説が掲載されている記事も参考にしてください。
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