外国人ドライバー 積極採用に必要なのは「働ける環境作り」

今回は、2024年問題や少子高齢化による、運送業界のドライバー不足という問題への一助となりうる外国人ドライバーの活用について、実際外国人ドライバーを雇用している2つの運送業者の例を交えて詳しく解説していきます。

日本は外国人移民の割合こそ他国と比べて低いものの、外国人移民数は約300万人を超えています。今後も移民数は増加していくと考えられており、ある研究では、東南アジア圏の移民の送出国の国民にとって日本は人気の移民先であるそうです。そのため、外国人ドライバーが働きやすい職場環境を整えることは運送事業者によっても人手不足の解消の鍵となる重要な対策だと考えます。

外国人ドライバーに対して、「言葉・文化・習慣が違う」「すぐ辞める」「荷主が嫌がる」などの理由で外国人ドライバーの雇用に消極的な運送事業者がある一方で、積極採用し企業努力によって外国人ドライバーたちを定着させている事業者もあります。そのような外国人ドライバーへのマイナスなイメージを企業努力によって払拭して、日本人と外国人がともに働きやすい環境をつくることに成功した会社の成功の秘訣について詳しく解説していきます。

目次

ブラジル人ドライバーの定着のカギは
「働ける環境づくり」「リスペクトと愛情だった」

今回は2つの参考事例を踏まえて解説していきます。

1つ目の参考事例

S社の特徴

  • 全ドライバーの3分の1が日系ブラジル人ドライバー
  • 外国人同士の口コミによって社員増加
  • 外国人雇用に関するトラブルはつきものだとして割り切って考える

まず、1つ目の参考事例のS社は、なんと全ドライバーのうちの3分の1にあたる11人の日系ブラジル人ドライバーが在籍しています。初めて、外国人を雇ったのは8年前。人手不足解消のために親会社の外国人ドライバーAがBをS社に紹介し、そのネットワークで人材が集まった。しかし、そんなドライバーの中には日本語が全く話せないものもいて、日報が書けない、客先での交渉事ができないといった不都合もあった。Bをはじめ数人は簡単な日常会話レベルの日本語を理解し、彼らを通じてコミュニケーションを促進。また、横乗り期間を長めに確保するなど運転者教育にも注意を払い、そのドライバーの適性が定期便なのかフリー便なのかを見極めていった。それでも外国人ドライバーによる積込み先とおろし先の間違えや、軽微な事故を報告しなかったりなどのトラブルも相次いだ。

このように、外国人雇用に関するトラブルはつきものとS社の専務は語る。このような、トラブルに真摯に向き合って、指導も欠かさないというスタンスが欠かせない。また、彼らの労務管理にシビアという傾向を把握し、休暇や給与面で歩み寄りの姿勢を見せている。これらの地道な積み重ねと外国人ドライバーに対するリスペクトによって、今年の県トラック協会支部総会で、無事故で3年以上勤務する優良社員として、同社から7人が表彰された。そのうち6人が日系ブラジル人だった

2つ目の参考事例

M社の特徴

  • ブラジル人ドライバー向けの初任教育動画を自社で作成
  • 社長や所長が率先して、外国人歓迎のムード率いた

2つ目の参考事例は同じく外国人ドライバーを積極雇用しているM社です。日系ブラジル人への初任教育動画コンテンツを自社作成し、グループ会社が運営するトラック求人サイト「ドライバーフォース」の利用者にも提供している。M社の教育動画を手掛けたのは、ポルトガル語・日本語共に堪能な日系ブラジル人の社員です。動画は、法定12項目をフルカバー、そして動画内の質問への回答をグーグルフォームへ入力してもらい、それを日本語に翻訳して理解度を確認している。M社と異なり、初任教育に日本語の教材を使う同業他社から転職してきたブラジル人ドライバーはこの動画で初めて内容を理解するらしく、母国語で対応する同社の姿勢に安心感を抱いているようだ。同社社長は、「文化の違いはあって当たり前。ウェルカムな状態を作るためにも母国語への対応は大切」との見方をしめしている。また、所長も1か月報告に対してポルトガル語で返すなど信頼関係の構築に協力的である。

FC物流マガジン編集部

この事例2の場合では、社長や所長といった者たちが率先して外国人ドライバーへのリスペクトを持って接していることで、社内でも他の日本人社員たちが同様のリスペクトを外国人ドライバーに持つことが期待される。

まとめ
今回の2つの外国人ドライバー、特に日系ブラジル人を積極的に雇用している2つの会社には、社長や所長といった会社の先頭に立つ者たちが、まず外国人ドライバーに対して、リスペクトを持ち、働ける環境づくりを行っているという点が評価できる。また、日本の来日する外国人労働者が増加している現代において、外国人雇用は雇用問題の解決の一助となるだろう。人材不足に悩まされている運送業者はいち早く、外国人ドライバーが働きやすい環境づくりを行うべきである。もし、働きやすい環境を作れたならば、その環境は外国人労働者間の口コミで広まっていき、外国人求職者が増えるであろう。

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