5分でわかる「2024年問題とその対策」　第３回

2024年8月8日

物流業界は今、大きな転換期を迎えています。

2024年問題として知られるこの課題に直面する中で、各社はどのような対策を講じるべきでしょうか。

このシリーズ「5分でわかる『2024年問題とその対策』」では、2024年問題への様々な具体的な対策について解説します。

今回は2024年問題改善に向けた具体的な対策について詳しく解説します。

FC物流マガジン編集部

前回まででは、物流の2024年問題の概要について説明してきました。
今回からは、具体的な対策について詳しく説明していきます！

予約受付システムの導入

●先に到着したトラックから順番に荷積み・荷卸しが行われる場合には、早い順番を取るために多くのトラックが集荷先・配送先に必要以上に早く到着する場合がありますが、荷出し・荷受けについては処理能力の制約があるため一定のペースでしか行えず、結果として、長時間の荷待ちが発生する可能性が高くなります。

● こうしたケースでは、予約受付システム等を導入・活用して、バース毎での荷役予定時間をあらかじめ決めることにより、 ①トラック運送事業者による到着時間を見越した運行計画の策定 ②着荷主側による庫内作業の準備が可能になり、荷待ち時間を減らすことができます。

● 荷主にとっては、あらかじめ庫内作業の準備を進めることにより、荷受け作業を効率化することが可能になります。

事例１:一貫パレチゼーションと受付予約システムで着荷主滞在時間を短縮

成功のポイント

従来は、発荷主と着荷主で異なるパレットをしており、ドライバーが着荷主の倉庫に問うちゃうくすると手作業によって荷物を卸したりしていたが同一のパレットを共同利用するパレットプールシステムを採用したことで作業の効率化を達成することができました。
発・着荷主、トラック運送事業者の三者で話し合うことにより、方向性と課題を共有化できたことも成功のポイントです。

※出典：厚生労働省,国土交通省,公益社団法人全日本トラック協会「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン事例集」※出典：厚生労働省,国土交通省,公益社団法人全日本トラック協会「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン事例集

事例２:外部倉庫と情報システム活用によるに待ち時間の削減

成功のポイント

発荷主が外部倉庫活用を前提とした生産計画の組み換えを行った。以前までは商品の生産と出荷を1つの工場で行っていたが、出荷場が狭く、商品の作り置きができない状態であった。そのため、生産に合わせて出荷を行っていたが、それによって車両での待機時間が長くなり、拘束時間の長時間化にもつながっていた。そこで、発荷主が外部倉庫活用を前提とした生産計画を組み立てた。それによって、定番品の作り置きが可能となった。
それに加えて、元請事業者が入退場・進歩管理システムを構築し、トラック運送事業者に公開した。実運送事業者がシステムを活用して、ドライバーの出勤時刻の調整を行うことができるようになった。外部倉庫によって定番商品の作り置きが可能になり、随時出荷することが可能になり、その時間も入退場・進歩管理システムによって管理されていることで、ドライバーの車両での待機時間・拘束時間を削減することを達成した。

※出典：厚生労働省,国土交通省,公益社団法人全日本トラック協会「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン事例集」

FC物流マガジン編集部

　今回、取り上げた予約受付システムの導入は運送会社のみではなく、荷主にとっても利益のある対策例であるといえます。